7月。京さんが卒業してもう3ヶ月が経つんだな・・・
受験勉強をしながらふと眼をやったカレンダーがそれを示していた。

「お-い、一乗寺!何ぼさっとしてんだ!」
塾の講師が僕の席まで歩いてきて問題集の角で頭を叩いた。
(痛・・・)
「こーゆー奴が落ちるんだぞ!」
講師は捨て台詞を吐くと、黒板の方へ戻って行った。

最近、成績の伸びが悪い。
第一志望の中学の偏差値へも微妙に足りなくて、少し焦っていた。

「一乗寺君、頭大丈夫-???角で殴ることないじゃんねぇ。」
授業が終わると、女の子がやってきて、僕の頭を触りながら言った。
「うわ、髪超サラサラ!!!いいな-。私ストパ-かけたいけどママが駄 目って言うんだよね」
その子(名前なんだっけ・・・)の髪を見ると、なるほどクセ毛のようだ。
そういえば京さんはきれいなストレートだったな。
最近、何につけても京さんを思い出してしまう。
「髪長いよね-!切れば???夏だし!さっぱりすると思うよ!」
ここオススメだから、と付け足して美容室のカードを手渡した。






休み時間に友達と廊下で話していたときのこと。
「こら-!井ノ上!!!」
近づいてきた体育教師はあたしの髪を引っ張りながら言った。
「髪は結べって言っただろ-!」
「はぁい」
「いつもいつも・・・いいかげん切ればいいんだ、ったく・・・」
そんなことをぶつぶつ言いながら体育教師は去っていった。
「京どんまぁい」
先生が去ったのを確認すると、友達が笑いながら言った。
「もーあいつほんとむかつくぅ!!!」
「京髪超きれーだよね、ストパー???」
「地毛だよん♪」
「へー!!!すごい!あたしストパーかけたいんだよねー」
二人がそんな話をしていると、通りすがった先輩が話しかけてきた。
「京ちゃんまた怒られてたねー。あいつ目ぇつけたらしつこいから気をつけた 方がいいよ!
この際思い切って切れば???ここ、超かっこいい美容師さんがいるよ!」
そう言って美容室のカードを手渡した。







京は先輩に言われた美容室に、賢は友達に言われた美容室にそれぞれ来ていた。
京は店に入るなり、例の超かっこいい人をきょろきょろと探していた。
あ、あの人だ!と思った瞬間、他の店員にこちらです、と声をかけられてシャンプー台に連れて行かれてしまった。
「髪きれーだねー。ばっさりいくの?かっこよくしてあげるからね」
その人は、そう言いながらすでに他の人の髪を触っていた。
京のシャンプーが終わり、かっこいい店員が切っている隣の席に座らされた。
「髪きれいだね!今日はどんな感じにしたいの???」
ばっさり切ってください、と京は言った。

1時間後。
鏡を見て、変わった自分の姿にびっくりする。
同時に結構気に入って、少し嬉しくもなる。
店員さんがドアを開けて出ようとすると、他のお客さんと肩がぶつかった。
『あ、すみません』


「賢くん!?」
「京さん!?」























あれ???オチない・・・笑
お題って難しいですね≧□≦∩