ONE SUNNY DAY
物資の補給と海兵の休暇のため、ある小さな島に立ち寄った時のこと。
久々の休暇であったため、海兵たちは到着するなり行ってしまった。
上司は現地の将校達と"オトナの店"に行ったようだ。
たしぎはというと、買い物メモを片手に街を探すが、道に迷ってしまっていた。
人も見当たらない。
ため息をついて辺りを見回すと、ひとつ影が目に入った。
緑の頭、腰の三本の刀。
その特徴から、すぐに誰だか判断できた。
「ロロノア!!!」「パクリ女!!!」
ほぼ同時に発された威勢のいい声。
ゾロはそう言うなり向きを変え、逃げ出した。
追い掛けようとした瞬間、ゾロが何かキラキラ光るものを落としたのに気づいた。
お人好しなたしぎは拾って渡そうと思ったが、ゾロはもう既に遠くに行ってしまっている。
ゾロに追い付こうと、たしぎは一生懸命に走った。
無我夢中で追いかけっこをしていると、森に入ってしまっていた。
足場が悪いので、たしぎとゾロの距離が縮まる。
「きゃあ!」
ゾロが振り向くと、たしぎが地面に倒れていた。
起き上がるが、足を挫いたらしく、なかなか立ち上がれないようだ。
しかも、眼鏡が遠くに投げ出されてしまったらしい。ゾロはひとつため息をつくと眼鏡を拾って近寄った。
「おい‥お前馬鹿か」
「馬鹿じゃないです!あなたが逃げるから‥」
二人とも走り疲れて息切れしている。
「立てねえのか?」
「立てます!」
たしぎが挫いた片足をかばって立とうとすると、体が宙に持ち上げられた。
「ちょっ、おろしてください!あなたにこんなことしてもらう理由ないですっ」
ゾロの体を叩きながらわめくたしぎ。
「あ-もう黙っとけ。森を出たら降ろすから。」
たしぎが静かになる。
海軍としての自分がふと頭をよぎったが、なぜかすぐに消えてしまった。
重度の方向音痴の二人にとっては奇跡的に、小さな街についた。
広場の公園にたしぎを座らせ、自分はその横に座った。
二人の間には沈黙が流れる。
「あっ、そうだ」
たしぎが口を開いた。
「コレ、落としましたよ。」
そう言って手渡したものは、大きいゴ-ルドのピアス。
「ああ。‥いつ落とした?」
耳につけるとかなり重たいピアスなので、落とした瞬間に違和感がなかったのはフシギに思った。
「はじめに会ったときです」
「お前、このために走って追い掛けてきたのか」
「今渡さないと、しばらくあえないと思って‥」
たしぎは何かに気付き、話を中断した。
「あ、スモ-カ-さんだ。」
たしぎはありがとうございました、とお辞儀をすると、ぎこちない歩きで行って
しまった。
ゾロには、礼が言えなかったコトが心に残った。
◆END◆
オチが苦手・・・(泣)
ONE SUNNY DAY って、もりのくまさんの歌のことです♪+゜