SWEET VOICE


「ちょっとあんたねぇ〜!!」
「へっへーんだ!!」
大輔と京の追いかけっこ。もうこれはいつもの光景となっている。
「あはは、なんか、トムとジェリーみたいだよね」
タケルが微笑みながら言う。
「え、どっちがトムでどっちがジェリー??」
ヒカリも同じ調子で答える。
「・・・どっちもどっちでしょう。それより一乗寺さん遅いですね。」
伊織はあきれたように二人を見ている。

「こら〜っ、井ノ上!!何パソコン室で騒いでるんだ!!ちょっと来い!」

「えっあたし〜!?ちょっと先生!これは大輔がぁ!!」
「いいから来いって言ってるんだ!」
「ぇええーーーー」



「ラッキ〜♪京の馬鹿でかい声のせいでたすかった!」
「京さん、声響くもんね〜^^;」
ヒカリが割って入った。
「でも京さんの声かわいくって、あたし好きだなぁ」

ガラッ
「ごめん、遅れて!!」
ドアが荒々しくあけられ、賢が入ってきた。
「残念。入れ違いね。京さん今連れて行かれちゃったの。」
ヒカリが意味ありげに笑う。
「でもあいつの声いらいらしてるときに聞いたらむかつくんだよな〜」
タケルと大輔はまださっきまでの話題で盛り上がっている。
「大輔君の声も十分でかくて耳障りだよ?^^」
賢がこの会話を聞きながら、ヒカリに聞いた。
「何の話?」
「京さんの声の話。^^かわいいわよね。」
「あぁ、うん。なんか、甘い?っていうの?そんな感じで僕はすきだな・・。」
ヒカリはにこにこしながら賢の様子を見ている。
「甘い声〜〜〜〜!?お前耳おかしいんじゃねぇの?」
「大輔君!そんなこと言ったら嫌いになっちゃうから!」
「えっ、そんなぁ〜〜〜」



ガラッ
「ただいまぁ〜!もう、ほんとやんなっちゃう!あ、賢くん☆」
「あ、こんにちは。遅くなってすみません。」
「んーん^^じゃあ行こっか♪デジタルゲート、オープン★」










「今日はつかれたねー!!明日はどうしよっか?」
「俺は何時でもいいけど・・・」
「僕も」「私も」「ぼくもです」
「えっと、僕は明日サッカーの試合があるので・・・」
「そしたら、終わったらあたしの携帯に電話して★今日家帰ったら賢君の家電話して、番号教えるから!」
「わかりました。」



「ただいまー。」                        
「おかえり、賢ちゃん。遅かったわねぇ、
さっき賢ちゃんに電話があったのよ。」
「えっっ!?誰から!?!?」
「ぇえと、同じ学校の、鈴木さん?って言ってたわよ」
「・・・(よかった、京さんじゃないんだ)??ん、わかった。」

プルルルル・・・・・
「あ、僕がでる!!」
賢がそういって走ったのもむなしく、先に電話に手が届いたのは賢の父だった。
「はいもしもし、一乗寺です。」
『こんばんは、井ノ上といいます★賢くんいらっしゃいますか?』
賢の帰宅に気づいていなかった父は、「賢ならまだ帰ってませんよ」
と答えた。賢はその言葉を聴くと、「おとうさん!帰ってます!」
と大声で叫んだ。「ああ、賢、帰ってたのか。井ノ上さんから電話だぞ」
「・・・京さん?」                         

『あっ、もしもし、賢君?そういえば賢君帰り遅いよね、ごめんね!』                             

「い、いいえ・・」   
(なんでこんなにぶっきらぼうになっちゃうんだろう〜!!もっとちゃんとしゃべりたいのに!)                                                 
『電話番号、言うよ〜?紙とかある?』                                                  
「あ、はい。どうぞ。」                                                         
『090のぉ、・・・・・・・・・・・』                                                    
「明日終わったら電話しますね。(これで終わりかぁ。もっと喋っていたいなぁ・・・なんて無理だけど;)」            
『あ、ぁの・・・賢君?今日、声すきって言ってくれて・・ぁりがとう。』
「え!?(焦)」
『じ、じゃぁね!』

「賢ちゃん、お電話終わったの?」
「う、うん」
「あら?お顔が赤いわよ?彼女さんかしら、うふふ」
「そ、そんなんじゃないよ!」
「かわいらしい感じだったなぁ。賢、今度うちに連れてきなさい。」
「だから、そんなんじゃないってばっ。」
顔を真っ赤にしながらそういいのこし、賢は部屋に入ってしまった。

「あらあら。ふふ。」
「賢もそういう年頃なんだなぁ。」


賢は部屋に入るとベッドに上がり、パタンと横になった。
「おかえり、賢ちゃん」
先に部屋に入っていたミノモンが声をかけた。
「うん・・・」
「賢ちゃん?顔、赤いよ?」
「ん・・・
京さんのあんな声、はじめて聞いた・・・。」
「京?」
賢は、さっき受話器を当てていた右耳に触れた。
なぜだか、くすぐったいような、感じがした。


















淡い淡い初恋モノです(照)なんかいろいろ思い出して書きました★
こう書いてみてわかるんですけど。。。あたし文章かくのきっらいだなぁ(笑
よんでくださってありがとうございます♪ 2005.8.14